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滝翼の記憶をかきとめる

音楽劇マリウス千秋楽おめでとうございます!〜観劇レポと共に〜

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音楽劇マリウス千秋楽おめでとうございます!今井さん、瀧本さんをはじめ出演者の方々、スタッフの方々、本当におめでとうございます。

 

以下、3月12日に観劇して書いた考察になります。盛大にネタバレしていますので、ご注意ください。

 

さすが古典だけあって主人公たちの運命の二択は今まで本、映画、漫画、歌詞、二次創作などで千回は見たことがあるテーマでした。例えば主人公マリウスの二択は、生まれた場所で働き、恋をし、家庭を築き生きていくか、それとも夢や憧れを叶え、生まれた場所とその人間関係と決別して生きていくか。ヒロインのファニーの二択は、幼い頃から恋していた人と結婚するか、優しい年上のお金持ちと結婚するか、そして、恋人の夢を叶えるべく別れるか、それとも夢を諦めさせて自分の側にいてもらうか。この2つの二択も古典です。そして、マリウスとファニーとパニスにからむ、生物上の父親と家族になるべきか、生まれてからずっと世話をしてきた養父と家族でいるべきかという、これまた古典的で答えが出ない二択が上がってきます。どれも正しい正しくないでは割り切れない本人だけが選ぶことのできる選択肢で、永遠にテーマになる二択だなと思いました。

 

今井さん演じるマリウスが最初に心に決めていたのは憧れていた船乗りになる道。だからファニーが好きでも手を出さないと自分なりに決めていました。外国への憧れを表現する今井さんのフラメンコは楽しそうで夢見るようで、とても素敵でした。でも、頭の中に微妙に「アンダルシアに憧れて」がうっすらかかって感動を邪魔してくるの、どうにかしたかったです。

 

反対に七五三掛くんが演じるプティは、もう一つの選択を象徴する男の子です。親代わりの船長さんに恩返ししつつ、花売りの女の子に恋して地元マルセイユでずっと生きていくルートの象徴。夢ではなく愛を生きる、それがプティが歌う歌詞に表れてるのかなと思いました。あの歌が可愛くて可愛くて、プティちゃんと花売りちゃんの恋を応援したくなりましたが、花売りって職業は何かの暗喩でもあるのかなと思うとちょっと心配になったり、心の中がいそがしいです。

 

さて、船乗りになる決意を固め、着々と準備を進めていたマリウスでしたが、大好きなファニーの方から迫られてお断りできる程、大人になりきれていませんでした。24歳ですから、致し方なしって感じです。ここら辺の今井さんの演技が本当にヘタレ可愛いです。結婚しないなんて神父にでもなるの、と言うファニーにカルデロン神父を思い出した人多数だと思いました。女の人から迫られて、かつ子どもも授かるとか、なんてカルデロン神父さんとかぶってるんだって思いましたもん。ファニーと関係をもったからには、夢は諦めて恋人と暮らし、親の店を継ぐルートを取ろうとするマリウスですが、私の隣にいて船のことを考える貴方は嫌というファニーの方針により、結構無理矢理船に乗せられてしまいます。

 

この後、マリウスから手紙が届き、マリウスが海の話を語る歌がとても好きでした。まるでまだ夢を見ているみたいで船や海への憧れに満ちた今井さんの歌声がとても幸せそうで一番好きな場面でした。帽子にピーコートに青い長いマフラーの衣装もとても好きでした。

 

突然、帰ってきて赤ちゃんの父親としての権利を主張するマリウスを叱るセザール。しかし、赤ちゃんの育った分の5キロは情愛でできてるって言うのは感動ポイントなんですか?いやいや、母乳だから、その5キロは母親の血でできてるから!情愛で赤子が育つなら保育園いらないし!って噛み付きたくなったのはセザールさんの怒りっぽい下町のおっちゃん的な部分が親族に似ているから?情愛は赤ちゃんを育てる過程で育つものであって、赤ちゃんを育てるものではないのでは?と子育て中の身としては思いました。

 

ファニーに会って、船に乗っていても君のことを考えていたと恋心を切々と歌う今井さんに思わずキューンとしましたが、もう二人の道は別々に進み始めていたので切なかったです。知らなかったマリウスも罪だけど、知らせなかったファニーとセザールにも責任はあるし、知らなかった方が幸せなのか、知って抱えて生きていった方がいいのか、ここにも答えの出ない二択を感じました。

 

今井さんのマリウスは色々流されちゃうヘタレで可愛い感じでした。いつもの35歳の貫禄を感じさせず、ちょっと初心で本当は父親思いで、そして夢を見ている世間知らずな感じが演じられていたと思います。フラメンコも素敵でしたが、今回は歌の方が心に響きました。感情を素直に伝えてくれる今井さんのパワフルな歌声にすごく惹かれました。カーテンコールも素晴らしかったです。フラメンコが迫力で女性ダンサーの方のスカートの動きがすごい美しかったけど、スカートの中が見えちゃって焦りました(男子か)。手拍子したり楽しかったです。

 

大道具もすごく凝っていて、二階建ての登れる階段や開け閉めできるドアや窓に驚き、カフェのカウンターや内装も細部まで作り込みが素晴らしく、背景の街並みや星の瞬く空もすごく綺麗でした。この頃、自分もでっかい模造紙に背景を描いたりする作業をしていたため、その労力がしのばれました。プロの仕事すごい!船が出航する場面で一瞬にして万国旗がつるされたりして、細かい部分まで楽しめました。衣装も前半の夏服と後半の冬服でイメージがガラリとかわり、季節と時間の移り変わりを意識することができました。

 

私は1回しか観劇できませんでしたが、観た後も思い出しては、ゆっくり解釈したり咀嚼したり考察したりできる作品でした。そういう意味でもとても楽しい作品でした。

 

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